第7次都市再生プロジェクト

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第7次都市再生プロジェクトの基本方針

大阪圏は、国際競争を勝ち抜くことを視野に入れ、地域の持つポテンシャルや機運の盛り上がりを最大限に活用しつつ、以下を基本方針として、生活支援ロボット産業拠点の形成を目指した戦略的な取り組みを進めていく。

→大阪圏における生活支援ロボット産業拠点の形成にかかる実施計画書(PDF)

1 新たな産業化プロセスの構築

大阪圏では、社会フィールド実証実験の積極的な実施、地域一体となった競争と協働の環境整備により、生活支援ロボットの新たな産業化プロセスを構築する。この際、重視すべきは、産業拠点という「場」の形成を進めるために、企業の求める場を地域が提供することである。

1. 把握困難なユーザーニーズ

生活支援ロボットは、ユーザーニーズが曖昧で製品化への反映が極めて困難であるため、企業や大学での研究開発が思うように製品化、実用化に結びつかないというギャップがある。

2. 社会フィールド実証実験の実施-ユーザーニーズ把握、反映の場

大阪圏では、社会フィールド実証実験を地域一体となって積極的に実施する。生活支援ロボットのユーザーニーズを把握、反映するために最も重要でありかつ企業単独では実施困難なプロセスを実現する場を提供し、研究開発と実用化・製品化を隔てるギャップを解消する。

段階 概要
段階1 構想段階 製品コンセプトを確率する段階
段階2 研究・開発段階 要素技術の開発・集約により試作機を開発する段階
段階3 実証実験段階 デモ、イベント ユーザーに具体的なロボットの姿(試作機)を見せることで、ユーザーの理解を深める
性能評価等 基本仕様に基づく性能が担保されているかを現場に近い状況で確認する段階(路上実験など)
社会フィールド実証実験 ユーザーニーズとのすり合わせ、市場への投入可能性を確認するための社会実験段階
テストマーケティング 社会フィールド実証実験を受けた成果品の試験的な市場調査を実施する段階
段階4 実用化・製品化段階 社会課題の解決に資する実用化、市場を形成するものとして製品化する段階

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3. 競争と協働の環境整備-中小・ベンチャー企業と戦略的に連携する場

大阪圏では、地域一体となった協働プラットフォームを構築し、社会フィールド実証実験を核に、製品化、実用化に至るあらゆる段階で必要となる機能、特に、競争と協働の視点のもとで戦略的に中小・ベンチャー企業と大手メーカーとの連携を進める機能を整備する。

プレイヤー 競争環境 協働環境
大手メーカー
  • 研究開発から製品化に至る一連の取組を担い、主体的に個別プロジェクトを推進するとともに市場の拡大を図る
  • 共通する課題を抱えるプレイヤー同士、あるいは互いに補完関係にあると思われるプレイヤー同士で、協働して個別のプロジェクトを推進
  • 個別のプロジェクトの枠を超えて解決すべき共通課題や標準化の課題などについて、産学官連携での協働的な取り組みなどを展開
中小企業
  • 持てる技術力を発揮し、試作機の開発や、部品化、モジュール化など、ロボット産業の川上において役割を展開
ベンチャー企業
  • 大学等研究機関の先端的な研究成果をもとにした高度な要素技術の開発
  • ユーザーニーズに応じたカスタマイズなど市場の形成に伴うアフターサービスの提供
大学等研究機関(国の研究機関、公設試験研究機関を含む)
  • 産学連携コンソーシアムの組成などを通じて、製品化あるいは要素技術の研究開発という役割を担い、主体的に個別プロジェクトを推進
自治体、経済団体
  • 互いの特徴を発揮し、その機関でしかできないサービスを提供することにより有力な個別プロジェクト・企業を引き込む
  • 各機関が有望と考える個別のプロジェクトへの主体的・積極的な関与を進める
  • 企業や大学等研究機関、個別プロジェクトのコンソーシアムに対する実証実験の場の提供
  • ビジネスモデルや研究開発成果をテストし、モニタリングすることができるように、一元的に情報を提供
  • 次世代ロボット協働プラットフォームでの活動などを通じて、必要なパートナーとのマッチングを図るなど、特に企業間連携の促進支援を中心に担う
  • ロボットの試験的な導入を地域に働きかけるなど、ロボットの先行的なマーケット開拓を進める

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2 地域一体となった推進体制の構築

大阪圏では、地域一体となった推進体制を整備し、生活支援ロボットの産業拠点形成を目指す。この際、地域としての一体感や推進の方向性を内外に示し、企業やユーザーを巻き込んだ取り組みを展開することが重要である。

1. PDCAの遂行

推進会議内に地域一体となった本実施計画書の推進体制を構築し、生活支援ロボットの産業化を目指したPDCA(プラン - ドゥ - チェック - アクション)の遂行を進める。

2. 生活関連4分野の設定

「生活支援ロボット」の概念は非常に広く、その具体的な範囲を明確に定義したものは存在していない。大阪圏では、当面、生活支援ロボットとして、下記4分野を想定して重点的に取り組むこととする。また、4分野ごとにロードマップを作成することで、当面、大阪圏としてどのようなロボットの製品化、実用化を目指していくのかといった方向性を明らかにする。

安心安全分野 a. 都市部におけるロボット(住区系)
都市部においては、自律移動ロボット、RTが導入された自販機や街灯、防犯カメラやICタグなどのセンサーネットワークの協調により、安心・安全なまちづくりの実現を目指す。具体的には、ひったくり防止・通報、登下校中の子供や外出中の高齢者の見守り、家族への連絡、公共地下空間等における災害対策などを想定している。
b. 都市部以外におけるロボット(農林水産系)
都市部以外(中間山村等)においては、農業や畜産酪農、林業などの現場にRTを導入することで、高齢化が進む中間山村の生活を支援する他、国民の食の安心・安全を確保する。具体的には、作業機械へのRT導入による高機能化、鳥獣駆除システム、ICタグやセンサーネットワークによる食の安心・安全システムなどを想定している。
医療福祉分野 a. 医療分野におけるロボット(医療系)
医療分野へ革新的なRTを活用することで医療行為を支援する。具体的には、遠隔診断、治療や手術等のガイドなど医療機器へのRT導入による高機能化を想定している。
b. 福祉分野におけるロボット(福祉系)
福祉分野へ革新的なRTを活用することで、介護の支援、高齢者や身体障害者の自立生活の支援、パワーアシスト機器、義手・義足へのRT導入による高機能化などを想定している。
教育分野 ロボットを教育現場に導入することで、ものづくりや科学的素養を持った人材を育成するとともに、生活支援ロボットに対する認識、理解を広める。また、伝統芸能や匠の技の保存・伝承等への活用や、ロボット教材、人の動きのデータベース化と再現などを想定している。
生活空間分野 住宅や公共空間などにおいてRTが人の各種行動の中でのさまざまな状態を認知し、それに応じた快適性・安らぎ・環境負荷低減などの最適値を判断、的確な環境やサービスを提供する空間へのRT導入による高機能化を想定している。具体的には、コミュニケーション、軽作業の手伝い、エネルギー消費の最適化、生活行動や健康状態のモニタリングなどを想定している。

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3. 重点プロジェクトの推進

上記生活関連4分野ごとに、当面、重点的に推進するプロジェクトを決定する。この重点プロジェクトは、既に大阪圏で進められている個別プロジェクトを束ねるとともに、新たな個別プロジェクトの形成を進めることで、大阪圏全体として製品化、実用化を目指すものである。重点プロジェクトの推進に際しては、以下の2つの方針を重視する。

4. ユーザーという最大の駆動力を巻き込む

生活支援ロボットの産業化を進めていく最大の駆動力はユーザーである。大阪圏では、地域一体となった推進体制を構築し、その方向性を内外に示すことで、企業とともにユーザーを巻き込んだ取り組みを進める。

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3 生活支援ロボット産業拠点の形成

地域一体となって企業やユーザーを巻き込んだ取り組みを展開することで、場に集う企業やユーザーが相乗効果を生み出し、さらに企業が集積し、大阪圏が生活支援ロボットの産業拠点となる。

1. ものづくり中小企業の活性化とリーディングベンチャーの輩出

企業の求める場を提供し、生活支援ロボットの製品化、実用化に向けた重点プロジェクトを大阪圏で展開することにより、新たなリーディングベンチャーが輩出され、ものづくり中小企業の活躍の機会が創出される。さらに、地域一体となった協働プラットフォームの構築を通じ、大手メーカーと中小・ベンチャー企業の戦略的な提携、連携が進むことで、中小企業の活性化やリーディングベンチャー企業の輩出がさらに促進される。

2. 企業集積とユーザー感度向上の好循環による産業拠点の形成

社会フィールド実証実験の展開により、ユーザーのRTに対する理解を深め、感度の向上したユーザーが生活支援ロボットの質を高めるという相乗効果を生み出す。さらに、感度の高いユーザーを求めて企業が集まり、集まった企業が活性化するという好循環が生まれ、市場の拡大とも相まって、この好循環が拡大していく。これにより、企業が求めている「場」としての価値、大阪圏における関連産業の集積が高まり、結果して産業拠点が形成される。

3. 地域の積極的な取り組みに対する国の支援

生活支援ロボットの産業拠点の形成という国家プロジェクトを実現していくために、こうした地域一体となった積極的な取り組みに対し、関係各府省の横断的な支援を期待したい。


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